農場廃棄物を使って循環型農業
続けて技術職員の話題を紹介.
技術職員が実験用に育てているコマツナ,
芽が出てきました!
何の実験かというと堆肥の性能を見る試験です.
弘前大のもう一方の農場金木農場で排出される牛糞や稲わら,もみ殻に
リンゴの搾りかす等を混ぜて堆肥を作ります.
さらに,青森県の伝統産業である木炭製造を維持し,用途を広げるため
細かく砕けてしまった木炭の屑(粉炭)を堆肥の製造過程で混ぜて
匂いの軽減や発酵の最適化を目指します.
以前製造したときの写真ですが向かって右側の山が少し黒いのが解りますか?
混入した炭の影響です.
ハツカダイコンや長ネギなどの野菜が大変よく育つことが明らかになってきました.
この堆肥を使うと化学肥料の使用量を従来の半分程度に減らすことができ,
雨などで河川に流れ出て富栄養化の原因としまう窒素の量を劇的に減らすことができそうです.
また,化学肥料で栽培した野菜と見た目は変わらないのですが,
中身を調べてみると,
人体に有害な硝酸態窒素の含量が大きく低下し,
反対に抗酸化作用のあるビタミンCの含量が大幅に増加していることが解ってきています.
本来,捨ててしまうものが
こうやって新たな生産の糧となる...
素敵だと思いませんか?
この堆肥生産のもともとのアイディアは中泊町で頑張っている
(有)ツリーワークさんのものです.
社長曰く「リンゴの紋羽病に効く!」ということですか
科学的にどうなのかと聞かれれば私はちょっとどうかわかりません.
確かに少しぐらい弱ったリンゴの樹なら発根させ元気にできそうですが
菌を殺してしまうような効果はなさそうです.
でも,野菜に対する効果は確かにあります.
「青森県=りんご」だけにこだわってしまうと
なかなか視野が広がりませんが
青森県はリンゴ以外に野菜の生産量のかなり多いのです!
社長!この堆肥そういう方面でどんどん使われていったらいいですね!!
我々の研究室ではリンゴだけでなく,野菜や花など園芸作物全般について
地域の企業や生産者皆さんと協力しながら
また,技術職員とも協力しながら